城(グスク)とは
グスクとして知られる琉球王国の城は、琉球が複数の国から主権と広範囲にわたる海外貿易を享受する統一王国へと発展した、13世紀から16世紀にかけての繁栄の時代が現代に遺した偉大な遺跡です。わずかな史料しか残っていないため、グスクの築城と利用に関する数多くの謎は未解決のままです。グスクは、軍事、居住、および儀式のための設備を持ち、防衛的機能と宗教的機能の双方を兼ね備えていたようです。そして、多くのグスクでは琉球石灰岩で城壁が築かれています。元の木造の建築物はほとんど残っていませんが、考古学の研究により、最も重要な建物群の大きさと配置、そしてそこに住んでいた人々の生活様式についておおよそのことが分かっています。
沖縄の石造りの城の建設は、日本本土よりも約100~200年早く始まりました。日本と琉球の城は両方、いくつものしっかりした囲い(郭)で区画が分けられており、最も堅牢な囲いは最も高い場所にあります。しかし、琉球の城壁は通常、ゆるやかな曲線を持つ有機的な形をしている一方、日本の城壁はより直線的で、角がとがっています。また、日本の城には一般的に多層階構造を持つ木でできた大きな防御塔がありましたが、琉球の城にはありませんでした。
今帰仁城(なきじんぐすく)跡に加え、沖縄に現存する主な城跡には首里城、中城(なかぐすく)、勝連城(かつれんぐすく)、そして座喜味城(ざきみぐすく)があり、これらは全て世界遺産に登録されています。